このレビューはネタバレを含みます
この作品を観たのはいつだったかな…
でも、これを観てエミリー•ディキンソンの詩を幾つか読んだりしたんですよね。
独特な言葉の使い方…
感覚的な愛とか死とか…
気が合うお友達になれそうな隠遁詩人さん。
って書くだけでも、なんか少しブーメラン飛んでくる気がしないでもないんですが😅
Ample make this bed-
あの詩を読んで、しばらく考えて…
だから、私にとってのこの映画は…ソフィーの『死との向き合い方』を軸にして、彼女の選択を考える作品になっていました。
そんな作品を久々に再見してみて…このところ殺伐とした作品を連投していたり、少し前に読んだ治さんに引っ張られて…『駈込み訴え』が頭に浮かんじゃったりして、かなり思考がカオスでした(; ̄ェ ̄)
個人的に最も納得のいく解釈としては…
『死に向かって生きる2人』というのをピン留めしておくと…錯乱のように感じたネイサンの行動も、ソフィーの罰を求めるような語り方、2人の関係性や、空回りするスティンゴの立ち位置にも頷けたんですよね。
題名からしても、作中の彼女の選択を見せるのかと思えるんですが…たぶんあの場面の選択を見せたいんじゃないと思いました。
あの場所に向かう事を、彼女は最初から選択していたんだろうなって。
目的地に行き着くまでを、私情を挟みつつ語るのがスティンゴ。
ネイサンは恐怖と賛美…でしょうか。死に対して半分肯定、半分否定の鬩ぎ合いが、あの人物像になっていたのかなとも思えました。
生と死。その狭間の人生。
うーん…そうだなぁ(´-ω-`)
駈込み訴えのラストで、主人公が名乗りながら『へっへ』と笑うんですよ。
口語体の文面で、彼があれこれと語るのを聞いている感覚で読む物語なんですが…彼は語っている内に愛と憎とが綯交ぜになって、どちらだか解らなくなっていくんです。
でも、彼は既に駈込みを終えている。
だから当然、結末も決まっている。
彼はそこに向けて進みながら…
最後に『へっへ』と笑います。
裏切って、事を成して、望みを叶えて…
信じて、信じ切れなくて、叶わずに失う…
その全てを抱えた時の、感情のエラー。
それが『へっへ』に集約されてるというか…
人間の感情の複雑さに唸らされます。
彼は、どうしてそこで笑ったのか。
読む都度、考えさせられるんですよね。
治さん、本当にいい仕事するよね(笑)
この作品も、締め括りに関して…
自分の中で色んな考えが浮かんできます。
『朝のけたたましい騒音から
その場所を守れ』
みんなに平等な朝日も、優しさも…
憐憫とか、悪くないだなんて正論だとかも…
裁きを望んだ彼女には…ノイズだった。
だから明けない夜を…望んでしまったのか。
バグったソフィーに見えていた世界を、あの図書館以外の描き方でも見せて欲しかった。
こういう作品を観たり、読んだりした後の余韻…心の綾の奥に迷い込む感覚。
私の宿痾であるネガティヴが、これ以上拗れると人としてヤバいので…そろそろ優しくてポジティブな作品でも観ておかないとな🤢
え?前々から人としてヤバい?(; ̄ェ ̄)
おバカまみれの生涯を送ってきました(爆)