このレビューはネタバレを含みます
若松孝二の海辺の男達はブルー
2013年2月23日 レビュー。
製作若松プロダクション。原作船戸与一。音楽ジムオルーク。脚本黒澤ひさこ、脚本監督若松孝二。
疾走してまるで、「衝突、激突、死を確定」していったかのような故若松孝二監督。
大人の映画を1960年代から独立プロにて撮影。
アナーキー
反権力
暴力
エロス
血
裸で走る、歌う、殺す
をミクスチャーした素晴らしい60から70年代の破天荒殺傷ポルノ。
自前で撮りつづけてきた若松監督の風。
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」の映画からものすごく最後のきらびやかさ爆発で濃厚な「昭和三部作」をぶちあげる。
表現魂に拍車がかり、作り急いだような遺作周辺。低予算、ぶつ切りな編集、秀抜な演技。
「キャタピラー」は、世界も揺るがす作品となります。戦争を性から見つめた男と女のまぐあう痛みで世界が揺れます。
たとえ、予算が少なかろうと、フィルムじゃなかろうと、
見る人がいる限り、
評価はされるんだと思います。
表現者の勝利であります。
そんな雑感のなか、早撮りで上映された本作。見に行きたかった作品でした。
新作DVD鑑賞となりました。
若松監督の原作物。
なにやら いわくありげな 女性一人。
アラタに改めた井浦新の詰め寄る姿
ホテル
そんな小さい舞台の小品な作品でありました。
しかしアラタさんこと井浦さん。もう、若松監督と出会って良かったですね。これからが本当に楽しみな素晴らしい俳優さんに写り変わりましたね。モデルの頃が懐かしいであります。
あと、時より井浦さんが 過去の若松作品の主演ヒーロー、
内田裕也に
めちゃくちゃ似てきてるのが、神がかってます。本当に似てるんですよね、この顔面の若松作品の相似現象は、すごいです。
物語は、とある男のいざこざ。たどりつくのは、とあるホテル。
そのホテルには、白いドレスの女性がそこに、、、。
男達の共同幻想は、そこに何かを見つける、、、、。
ジムオルークのすすり泣くような音
裸で走り回る若松監督の基本テーマ「裸の疾走」が出てきます。
女性信仰、女体信仰チックな描写であり、度重なる、若松イメージが炸裂していきます。
まるで犯罪を内包する、女性の悪しきぬくもりかの様な本作。
片山瞳のその唇と歩く姿
井浦新の忠誠と表情
地曵豪の恨みと変わり方
若松監督の気分は、さながら共同幻想は、ブルーに、カタギニ沈んでいく。
シンプルでよかったです。
さて
若松孝二の海辺の男達は、ブルー
学生運動は、海の体に消えていくを
ぜひ
追記
日本のアングラながらも自分のスタイルのみ貫いた、素晴らしい反、変、権力の塊のうよな監督でありました。
初期60年代の作品が、気軽にレンタルされてほしいです。