このレビューはネタバレを含みます
「牝犬」
ジャン•ルノワールが1931年に製作した作品。この作品は悲劇でも喜劇でもないらしい。序盤に人形劇が繰り広げられ、本作のメインの登場人物3人が紹介される。チー牛おじさんと彼が恋した女とその女の恋人。たまたま出会った3人が悲運に見舞われる様を描く。
タイトルの「牝犬」の意味が結構衝撃的だった。1931年にファムファタールものの映画が存在していたという考えが自分の中になかったのでここにはかなり意外性があった。
また、中盤のワルツのシーンでの撮影の仕方がカメラが一緒に動くというもので定点での撮影が多いこの時代の映画にしては珍しさがあったが、画面揺れが結構ひどかったので劇場で観ていたら酔う人もいそう。
いつの時代にも若い子に恋をしてしまうおじさんもいるし、ダメな男といつまでも一緒にいる女もいるものなのだなと心底思った。序盤で「悲劇ではない」と言っていたけど、最後はかなり悲しい物語という印象で幕を閉じた。
フリッツ・ラングが1945年にリメイクした作品があるようなのでそちらも拝見してみたい。