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月光の女のhideharuのレビュー・感想・評価

月光の女(1940年製作の映画)
2.2
2019.12.9 DVDで鑑賞。
ベティデイビスが最も脂の乗っていた頃に出演したメロドラマ。5年連続でアカデミー賞にノミネートされたのは彼女とグリアガーソンだけらしいです。
監督は愛人でもあったウィリアムワイラー。原作はサマセットモームの「手紙」。

物語としては不倫に嫉妬などそれほど面白い題材ではないと思う。ただ冒頭でいきなりの発砲事件、そしてラストの無情な感じが当時としてはセンセーショナルだったのではないでしょうか?

とにかくメロドラマの悪女をデイビスが過剰にならずサラッと演じていて唸らせられます。
そして時折見せる微妙な表情の変化にはゾクゾクさせられ、もう物語よりもデイビスの演技の方が気になってしまいました。

そしてあくまでデイビスがヒロインではありますが彼女を助ける弁護士の苦悩とかそちらを中心に描くのも面白いかもと思いました。
そして弁護士の助手や殺された愛人の現地妻などメチャ怪しげに描かれていたりして1940年当時はまだまだアメリカ人には東南アジアは未知で未開の地だったのでしょうね。

あと撮影もなかなか良かったです。月の光の陰影がとても効果的で印象に残ります。邦題が「月光の女」になったのも何となく納得。
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