キリキリ思春期もの。
齢15歳の(美)少年が
職場の年上女性に恋し、
拒絶され、
精神的に追い詰められ、
悲劇へ向かう物語。
生きる目的を掴みきれない少年は
清らかなものを相手に求め、
相手からの拒絶に対しては、
これほどまでに繊細で且つ
自己中心的な反応をするのかと唸らされる。
(そして何となくわかる気もする)
瞳孔が拡張したショットの挟み込みに
狂気から抜け出せないことを知る。
引いたカメラワークからは
心の針が良くない方向へ振れていく姿を
間近で覗き見している感覚にもなり、
目が離せなくなる。
やたらと長い黄色のコートも
白いテカテカのロングブーツも
オレンジの髪も、
60sイギリスポップカルチャーが
色褪せ、醜くなった残り香のよう。
閉塞感増す70年代英国の空気が
逆に渋くカッコ良い。
射す朱赤にハッとする。
パネルと共に沈むシーンは青く官能的。
ジェーン・アッシャーってこんな人だったんだ。
ポールはバカだなって、ついでだけど思った。