氷雨水葵

ムカデ人間の氷雨水葵のレビュー・感想・評価

ムカデ人間(2009年製作の映画)
1.4
2023年85本目

ううう…タイプの映画じゃなかった…

◆あらすじ
ヨーロッパ各地を旅行中のアメリカ人女性、リンジーとジェニー。

不運にも大雨のなかタイヤがパンクし、ようやく見つけた邸宅に住んでいるハイター博士に助けを求めた。

しかし、博士の紳士的な態度とは裏腹に、彼には恐るべき野望が隠されていた―――。

◆感想
台風直撃お盆休みを映画で満たそうと、TSUTAYAでまとめ借りしたのにU-NEXTにあるやん!?な本作を初鑑賞。最近、虚無生活を送っている私ですが、そんな時に観る映画ではなかったと後悔。

スリラーは好きだし、ある程度グロくても眠たくなってくるくらいには耐性あるのですが、もうね…最悪だった…。人間同士を繋ぎ合わせるという狂気の発想。天才かもしれんが、間違いなく変態で万死に値する。「独創的」といえば聴こえはいいけれど、完全に人間の尊厳を無視した夢の実現でヘドが出そう。「こうしてムカデ人間を創るのだ!」の説明シーンからもう耐えられなくて、実際に3人が繋がってムカデ状態になってからも目を背けたくなりました。とくに、排泄シーンは過去に観たどの映画のグロやショッキングシーンよりも最悪でした。先頭も真ん中も最後尾も嫌だけれど、真ん中の子が一番かわいそうでした…。先頭の日本人は喋れたからまだマシだよな(全然そんなことはない)。とにかく、ハイター博士が不気味で気持ち悪い。演技だとわかっていても、表情や言動、雰囲気がもう無理。私が警官だったとして、許されるならすぐにでもぶち〇したいくらい、とんでも狂人だった。割と早い段階でムカデ人間が完成するので、ずっとひえぇぇぇってなってました。てか、いかにも怪しい人なのに、なんで水飲んだんや。まぁ、スリラー映画の定石だけど、思わず「いや、飲むなて」とツッコミを入れてしまった。
個人的に「死が迫ってくると生を実感する」という理由のもと、スリラーやホラー映画を観ているのですが、本作はあまりにも鬼畜で死が迫るどころか生き地獄。「さっさと殺してくれ」と思っても、体が繋がっているからどうにもできない絶望感。救いようのないシチュエーションというのは、こんなにも無理ゲーなのか…と思いました。まぁ『SAW』とか『キューブ』といったソリッドシチュエーション系はみんなそうなんだけど。

私の中では珍しく受け付け難い作品でした。「観よう」という意志がない限りは、この先観ることはないです。
氷雨水葵

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