2024年34作目
人には誰しも承認欲求がある…が
◆あらすじ
恋人がアーティストとして脚光を浴びたことに激しい嫉妬心を抱くシグネ。
焦りが募り、承認欲求が高まっていくシグネは違法薬物に手を出す。
薬物の副作用で痛々しい顔面となってしまったシグネだが、その渇望は止むことなく―――。
◆感想
迷った挙句、劇場に観に行かなったシリーズ。うーん、最後まで観た感想は「こんな人にはついていけない」でした。
いやまあ、誰にだって承認欲求くらいはあるさ。そうじゃなきゃTwitterやInstagramに映え写真なんてあげないし、私・俺を見て!なんて言わないよ。言わないけど!そんなものは、本作の主人公シグネの承認欲求に比べたらマシなもんよ。序盤こそ「人を助けたの!すごいでしょ?」とか「アレルギーがある私を見て!」とか小さな欲求だったけれど、私的にはそれすらもウザく思えてきて、大怪我をしようとして犬をけしかけようとするなんてとんでもねえ。アーティストとして成功していく恋人を見る表情も怖くて「そんなに自分が認められなきゃ嫌かね」と思うしかない。最低値の承認欲求ならまだ共感できるけど、体だけでなく心まで壊れるほど認められようとするのはまったく理解できん。てか、恋人も友人もシグネに物申そうとは思わんのかね。恋人も恋人で、普通に泥棒してるから意味わからんけど、こんな承認欲求の塊みたいな彼女イヤだが。ほんまに気持ち悪い。
そして自己愛も強いときた。現実と妄想を行き来し、妄想のなかでは自分を悲劇のヒロイン扱いし、経験をもとにニュース番組に出たり、本が出版されたりとあまりにもひどい。顔面の痛々しさ云々よりも、シグネというキャラクターへのイライラが募るばかりで、一種のかまってちゃん状態だけど、記事になっている自分に喜びを感じているシグネはほんまにどうかしてる。加えて、自分の記事がトップページの下のほうに落ちてるからって担当者に電話するって、ほんまにアホなんか。
何回も途中で観るのをやめようかと思ったけど、よっぽどヤバくなければ最後まで観るという謎のプライドがあるので頑張った…が、どうしたってイライラが消えることはなかったな(苦笑)
入院しようが、友人に見放されようがシグネはまったく何も学んでない。それどころか、本を出版して恋人と順風満帆な生活を送れるという、クソみたいな妄想をするときた。自分が被害者なんてよく言えるよな。
本当の自分らしさを見失った人間の末路ってやつを観たい人はぜひ。