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ファニーとアレクサンデルのKHinojiのレビュー・感想・評価

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)
3.5
Filmarksのレビューを見てたら、5時間版の媒体が出ていることを知ることができ、レンタルDVDで見ることができました(さすがにBDでのレンタルはしてなさそう)。昔調べたときは5時間版の媒体は無かったので、また見ることが出来て懐かしかったです(って2010年にはもう出てたのか?)。

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現在の映画で使われるストーリーやテーマで考えると、この映画はむしろその原点のひとつとでもいうべき内容かと思う。なので必ずしも古臭いとは言い切れないし、普遍的なテーマを扱っていると考えると、今見ても十分に楽しめると思います。
ただ、そう考えると(現在では)必ずしも特殊なテーマ/ストーリーでも無いくせに、5時間は長すぎないか、ということになるでしょう。そこが現在の時点で、この作品を見る気になるかどうかの弱点かな。
(長時間=登場人物多い=話が分かり難い、って感じ)

ただ、もともとこの5時間版は、TV放送用に作られたものです。劇場公開版は編集して3時間版で公開されています(日本ではたまたま劇場公開もされたわけですが)。
なので、映画ではなくてTVドラマのジャンルで判断するのなら、5時間はむしろ短いほうでしょう。
・・・と考えて、ストーリーはTVの連ドラだと思って、見てみてはいかがでしょうかね?

映画の最後に引用で出てくる「ストリンドベルイ」は、1900年当時の劇作家で、演劇「夢の戯れ」からの引用でこの映画は締めくくられています。昔の映画パンフの解説では、ストリンドベリの戯曲の作劇術に追従してベルイマンはこの映画を構成したのではないか、と説明されています。

このラストから、この映画は後世のクリエイターたちに対するベルイマンからの讃歌なのだと、今回の視聴で感じました。新しい世代の若者は、新しいことに挑戦していけば良いと。

(1985年 岩波ホールにて)
(2018/9 レンタルDVDにて、字幕版)
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