ベビーパウダー山崎

黒の駐車場のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

黒の駐車場(1963年製作の映画)
2.5
サスペンスではあるが、これは下請け工場の奮闘ドラマ。ギリギリまで追い込まれてからの一泡吹かせた感ふくめて、なんだか「日曜劇場(TBS)」を見ている気持ちに。
警察ガン無視(まったく出てこない)して、ひとり巨大会社に盾突き、殺人事件を解決までしてしまう零細企業の優しき社長田宮二郎は人間を超えた存在。元々はボッタクリバーのチンピラで、ジキルとハイドぐらいじゃないと納得できない無理過ぎる設定。
物語を先に進めるためだけの雑なやり口、軽薄な強引さは確かに弓削太郎の映画。腑に落ちないことばかりだが、行き当たりばったりの言動(繋ぎ)でもいいじゃないか、瞬間瞬間さえ面白くしていれば何でもありなのだと言い切っているような、90分弱の娯楽としては正しすぎる姿勢はそこまで嫌いじゃなかった。