緑雨

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いの緑雨のレビュー・感想・評価

3.0
どことなくスティーブン・キング風というか、いかにもアメリカ文学的なお話で暖かみはあるのだが、ややセンチメントに流れすぎて面白くない。ファンタジックでありながら案外予定調和。「偶然」を「奇跡」にまで昇華させるだけの独創性や複雑さに欠けている。

母サンドラ・ブロックの想いが終盤になって明らかになるが、そこで点と点がつながるような驚きや高揚があるわけでもない。

マックス・フォン・シドーのキャラ造型は好い。ちょっと『アメリ』の二番煎じが入ってるけど。

留守電の録音という道具を用いて、9・11の悲劇をパーソナルに切り取る表現手法はよくできていると思う。

ジェフリー・ライトのオフィスを訪ねる夜のシーンは心地よい緊張感が画面に漲っていて、美しい。
緑雨

緑雨