こたつむり

ファイナル・デッドブリッジのこたつむりのレビュー・感想・評価

2.9
★ ヒント⑤ 死から逃れることはできない

ファァァァイナルデェッブリィィィィッ!
なんて赤坂泰彦さんみたいに言いたくなる邦題。『ファイナル』シリーズ最新作です(2018年12月現在)。

ただ、物語の形(起承転結)は既に確立されているので、最新作と言っても「前作と何が違うのか」という着眼点だと肩が下がるばかり。マンネリズムを許容するシリーズですね。

また、本作に限って言えば、全体的に野暮ったいのですよ。シリーズのキモである“死に方”も大雑把。鈍器でグシャリと潰されるような気分でした。

あ。でも。
病院での展開は鳥肌が立つほどにイヤでしたね。僕は××が苦手なので、あれが何度も拡大されるのは…うん。それだけでダメなのです。ちなみに××の形を模した指輪とかありますけど、あれも嫌いです。

まあ、そんなわけで。
個人的に怖い部分はありましたが、やはり新作が存在しないことが全てを物語っている作品。興行収入も悪くなかったようなので、制作側も新境地を提示できないと判断したのかもしれません。賢明ですね。

しかし。しかし。しかし。
世の中に無駄なことなどないのです。
風が吹けば桶屋が儲かるように。
蝶の羽ばたきが竜巻を起こすように。
本作には本作の意義があるのです。

だから、シリーズを通して観てきた人に「なるほどねえ」と思わせる物語運びは素晴らしく。さり気なく伏線を張っていたところに、監督さんの気配りを感じることが出来ました。

それに、本作はB級映画として王道を貫いていますからね。その割り切った姿勢も見事な限り。俳優さんたちからメジャーな雰囲気を感じないのも良かったです。やはり、B級映画は“チープ”であるからこそ、味があるのです。

※ ※ ※ ※ ※ ※

最後にシリーズの総括。
第一作目の感想で「サクッと鑑賞して後に残らない」と書きましたが、全体的な印象も同じ。一ヶ月も経てば、どれが一作目でどれが四作目なのか分からなくなるのは確実だと思います。ただ「それがいい」のですよね。ある意味で娯楽映画の理想形かもしれません。
こたつむり

こたつむり