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隠し砦の三悪人の10000lyfhのレビュー・感想・評価

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)
3.0
敵の侵攻で陥落した一家の侍大将と姫が、農民 2人を従え、再興資金の金を抱えつつ、敵領を経由して同盟家領地に避難するまでの道中。鑑賞ポイントは、主役 4人(農民 2人はコンビで 1キャラ感)の際立ったキャラと、庶民の集う宿、一騎討ち、火祭りと多岐にわたるシーンで、良質エンタメと言える。容姿端麗かつ心身共にタフという(男性の幻想入りの)ヒロイン像は、日本映画では本作が原点ではないか。序盤、陥落に涙する顔に、一家の紋章旗が重なる映像が印象的。言葉による友情の確認と、欲による対立を繰り返す農民コンビは、コミックリリーフの役割を果たすが、彼らに顕著に感じられる、黒澤的「人間味」演出が、個人的にあまり好みでない。3勢力の地理的関係を紋章で表現など、ヴィジュアル伝達力は巧み。場面転換でワイプトランジションが目立つが、本作に特有のものなのか、今後、同時期の黒澤作品を観る時に確認する。劇伴のパーカッシヴでブルージーなオケ、ガーシュインの影響があるように感じられる
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