寝る前に、何の気に無しに「久しぶりにちょっとだけ見てみよ」と思って見始めたら、そのまま2時間最後まで見てしまった・・・。
やはり、完全無欠の映画作品。
ストーリーの展開のさせ方・テンポが完璧で、求心力の維持という点でもパーフェクト。
演技から演出から伏線回収から全てがスマートで、まさに映画の教科書。
・・・なんだけど、本作、やはりそういうテクニック的なところだけでは語り得ない何かを確実に持っていて、それこそが本作が皆の心を掴んで離さない部分だと思う。
私はやはり本作を見るたびに、この作品のメッセージと、それを体現する存在としてのアンディの在り方に打ちひしがれてしまう。
過去や現在は変えられない。だが、未来は変えられる。それを成し遂げるのは当然簡単ではない。透徹した「意志」が必要不可欠だし、その「意志」の源泉となるもの、それこそが、「希望」だ。
このメッセージは、それだけ見ると確かに陳腐かもしれない。だが、究極の条件設定をすることで、このメッセージを映画の中に人格として再構築し得た存在、それこそがアンディだ。
なので私は、意志の力で数々の苦難を乗り越え、最終シーンを勝ち得たアンディを、「人間はこういうことが出来る存在なんだ」という「人間賛歌」を見る思いで、見つめることになる。
ずっと寄り添って生きていきたい、そんな作品。
余談となるが、私は原作のスティーブン・キングのファンで、原作の「刑務所のリタヘイワース」も読んでいる。
有名な話かどうかは知らないが、原作ではなんと、映画のあの海の最終シーンがないのだ。
それにより、期待と不安が入り混じった何とも言えない感情的余韻を持って本を閉じることとなり、それはそれで素晴らしいのだが、やはりこの映画、あのシーンを独自にインしてくれたのが最高だ。
「希望」を見せてくれて、ありがとう。
そういう気持ちで、いつもこの映画を見終わることになる。