かすとり体力

ファニーゲームのかすとり体力のレビュー・感想・評価

ファニーゲーム(1997年製作の映画)
4.0
胸糞映画の極北と名高い本作。

確実にイヤな気持ちになるだろうので鑑賞に二の足を踏んでいたが、ついに鑑賞。

まず想像通りだったところとしては、その胸糞具合。いや、想像以上かな。

だいたいの粗筋は知っちゃってたし、ストーリーは実際その通りだったんだけど、その「具体」への落とし込み方がとにかくイヤ。

まずは若者二人のキャラ造形。もう完璧なまでに不快。
これ、人格設定等の影響も大きいが、もう「顔」がイヤなのよね。そうなるとなんかもう奇跡起きちゃってるよね。

あとはもう細かな演出や展開がどしどしイヤ。

序盤の、卵を借りに来るくだりの「絶妙に不穏なディスコミュニケーション感」とか、

最初に被害者が出るシーンの人間の尊厳などフル無視した素っ気なさとか。

いみじく凄まじい。

一方意外だったのが、これ変な誤解を生みそうなんだけど、とにかく「最初から最後までずっと面白い」ってところ。。
面白いというか、圧倒的なまでに求心力が持続するというか。

私、本作の胸糞さを少しでも薄めたいという意図の下、本作を細かく日を分けて観進めようと思い、深夜のかなり遅い時間から観始めたんだけど、結果してぶっ通しで観ちゃった。(翌日きつかった・・・)

なんなんだろうなこれ。
おそらく、「映画の文法」から徹頭徹尾逸脱しているため、次の展開が全く予測がつかないことから、これが求心力の持続に寄与してるんだろうな。

あと最後に、冒頭述べた若者二人に加え、被害者家族の演技がガチやば。特に母親役の方、ヤバすぎんか。
作品中盤の10分ワンカットシーン、過去トップレベルで地獄が再現されていた。
(そこで私の感情は振り切れてしまい、以降、意外と心理的ダメージ少なく鑑賞できた・・・)

うん。色々言いましたが、明確に観て良かったです。凄い作品でした。
かすとり体力

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