ひろ

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉のひろのレビュー・感想・評価

3.5
ジェリー・ブラッカイマー製作による「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの第4作目となる2011年のアメリカ映画

監督はシリーズ3作を監督したゴア・ヴァービンスキーからロブ・マーシャルへとバトンタッチされた。

3部作で完結のはずが4作目に突入。監督の交代にはびっくりした。ロブ・マーシャルって、あまりにもアクションとかけ離れた監督だから心配になった。キーラ・ナイトレイやオーランド・ブルームが出演を断ったのも影響して、全く新しい物語を作らなくてはいけなくなった。

正直、期待以下とまでは言わないが期待以上でもなかった。続編を出す度に映画の評価が落ちてたから心配だったが、あからさまにパワーダウンしている。期待が高い分、観る目も厳しくなってしまうから、普通に観たらそれなりに楽しいエンターテイメント作品だと思う。

ジャック・スパロウをまた演じたいと言っていたジョニー・デップは相変わらず楽しそうだった。お約束的な展開はちょっと飽きたかも。カッコ悪くてずる賢いから面白いキャラだけに、もっと悪に描いてもいいくらいだと思う。

ジャックの元彼女アンジェリカを演じたベネロペ・クルス。アクション映画に出演してるのは新鮮だったけど、ベネロペの魅力を出せてたかって言われたら微妙かな。

黒ひげ役のイアン・マクシェーン。この人のキャラが弱かったのが一番大きかったかも。デイヴィ・ジョーンズを演じてたビル・ナイが最高だっただけに、物足りなかった。悪役が魅力的じゃないと名作にはならない。

バルボッサ役のジェフリー・ラッシュ。「英国王のスピーチ」の演技もよかったけど、今回一番よかったのはバルボッサだね。ジェフリー・ラッシュの演じるバルボッサの魅力が爆発した作品だった。

神父のフィリップを演じたサム・クラフリンと人魚シレーナを演じたアストリッド・ベルジュ=フリスベ。第2のオーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイにしたかったのが見え見えだったが、力及ばずってとこかな。脚本のせいでもあるから、俳優としては未知数だけどね。

個人的に一番盛り上がったのは、ジャックの父親キャプテン・ティーグの出演シーンかな。演じるのはもちろんキース・リチャーズ。こういう大衆映画なんか大嫌いな人なんだけど、親交のあるジョニーの頼みは断れない。ジャックの役作りはキースを参考にしているのは有名な話。

今回の主要キャストで第6作まで製作するみたいだけど、個人的にはもう続編作らないでほしい。ジェリー・ブラッカイマーお得意の金稼ぎの匂いがプンプンする。それでもそれなりのものができるし、ヒットするんだうな。とりあえず、第5作目に期待するかな。
ひろ

ひろ