オルキリア元ちきーた

コラテラルのオルキリア元ちきーたのレビュー・感想・評価

コラテラル(2004年製作の映画)
3.3
ああもう15年くらい経つのですね。
旦那がトム・クルーズ好きで
私がマイケル・マン監督好きなので
結婚する前に観に行きました。
いわゆるデートですな。
でも、鑑賞後に、この映画の話はしなかったなぁ…
トム・クルーズが初のヴィラン挑戦!っていうのが話題になったけど、この人、イケメンなのに結構演技も上手くて性格俳優的な演技も出来る(←性格俳優ではなく、性格俳優としての演技が出来る、という意味)といった面もあって、つまり器用貧乏なのよね…
残念なことに、その何でもこなしちゃう事の悪い面が前面に出てしまった作品だったと思う。
そのせいで、アクの強さもイマイチ、冷酷なワルにも徹し切れず、かといって良い奴でもない…みたいな、チュートハンパな殺し屋になってしまっている感じがした。
…いや、コレは監督も合ってなかったのか?
マン監督はマフィアとかギャングとか刑事でも素行不良な奴とか、そういうアクの強いキャラ同士が絡む、アウトレイジっぽい話の方が得意なのかな…
いや、トムは、ドロっとしたワルさの演技って、出来ない人なのかも知れない。
この後に演った「バリー・シール」も、結構エグいワルな筈なのに、なんだか爽やかなんだよね。
だから余計に「マグノリア」のナンパ教の教祖役のどハマり具合が際立つ。「爽やかなのにどこか嘘くさい」という絶妙なトムの特徴をよくぞ役にあててくれた!と改めて思うわPTA!
…という訳で、本作のトムは冷酷な殺人マシーンになり切れなかった印象が一番強くて、ジェイミーフォックスはそんなトムを健気に盛り立てていたような印象。