roppu

トスカーナの贋作のroppuのレビュー・感想・評価

トスカーナの贋作(2010年製作の映画)
4.4
初キアロスタミ。ごっこが並でなさ過ぎ。

会話の入りが全く可笑しすぎて異様、これを受け入れるのに時間がかかる。

男はジョークを重ねるようにスムーズに結婚の有無を尋ねるし、尋ねられた女は無視して電話に出るし。こんなことない。
序盤のビノシュと、後半のビノシュ、この対立はなかなか面白い。

そもそも、表面的な出来事も真実も、もはややり通せば、それはそのコピーや偽物を神格化する手段なのだ。恋愛関係に限らず、もちろんアート、または政治などはこれに尽きていることが、皮肉の極み。

シーン、シーンの流れが、とにかく明確で、適切。ドア間でシーンが変わり、ダイアログの話題が変わる。

ジョークでありながら、冷たいサスペンス。
最後には夜まで会えないのだし、ヒゲのもうすでに剃られた顔で用を足す。
そのうちになり始めたベルは、鳴り止まない。
roppu

roppu