1960年のアメリカ大統領予備選挙を追ったドキュメンタリー映画。
皮肉にも、人々がまるで映画の中の登場人物のように振る舞う。それは欲にまみれた政治家のマスクだけではなく、自動機械的に反応する一般人の受け答えに見られる。
手の運動でストレスを描きだしたり、足の運びの忙しなさを表現することで、フィクションが新たにメタフィクションになる。光がそこに在る以上の意味を見出し始める。
シネマ・ヴェリテはこうしてみると、僕たちの生活って一体何なんだろうね、となる。意味と記号に塗れた、ただ存在することが許されなくなった現代。
表層に映る真実は、フィルターをフィルターしてフィルターするテンテンテン。