在り来たりではあるが「善い者」と「悪者」を逆転させた演出が秀逸。
主人公をはじめとする主要人物たちは、悪いことをして刑務所に入れられた悪い人たちだが、いい意味での「人間っぽさ」が表現されていて、観客はどうしても囚人チームを応援したくなる。
アメフトのルールは分からなくても、横暴な看守たちをやっつけるシーンを観るだけで爽快だ。
また、『キャリー』でも使われた画面分割による場面の同時進行は、アメフトのゲーム進行を理解し易くする上で、非常に役に立っていると思う。
今では描かれ難くなった、肌の色による派閥もいいスパイスとなっている。
そして、ラストの「ロンゲストヤード」をめぐる攻防戦は興奮必至。
最後は、権力悪の権化となった刑務所長に「無視」という鉄槌を下して幕を下ろす。
なかなかの作品。
2016/07/27