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ロンゲスト・ヤードのほーりーのレビュー・感想・評価

ロンゲスト・ヤード(1974年製作の映画)
4.3
昨日からSNSでその死を悼む書き込みの多さから、やっぱり凄いスターだったんだなぁと改めて感じた。

「脱出」「トランザム7000」「キャノン・ボール」と1970年代から80年代に大活躍し、キャリア低迷後も「ブギー・ナイツ」の出演等で存在感を放ったバート・レイノルズ氏が亡くなった。

という訳で今回は追悼として「ロンゲスト・ヤード」をチョイス。個人的にはバート・レイノルズの魅力が全部詰まったのがこの映画だと思う。

元々学生時代はアメフトの選手として活躍していただけあって、本作の元アメフトのスーパースターという役柄はまさにうってつけ。しかも冒頭にはパトカーとのカーチェイス・シーンも用意されていて、のちの「トランザム7000」や「キャノン・ボール」を彷彿させるかのよう。

八百長試合で引退した元アメフト選手が、飲酒運転・公務執行妨害で実刑を受けて刑務所に収監されるのだが、そこの所長(演:エディ・アルバート)が看守たちでアメフト・チームを作らせるほどの大のアメフト好き。

実は万年2位の自分のチームを強化するために、所長はレイノルズをわざわざ自分の刑務所に呼び寄せたのだった。
当初そのオファーを断ったレイノルズは報復として看守たちから執拗な暴力を受けるようになる。

で、レイノルズは看守たちの練習相手として、囚人たちでチームを即席で作るように命じられる。人殺しや強盗の罪で収監している連中なので馬鹿力は有り余るほどなのだが、如何せんアメフト経験者は皆無。これでセミプロチームと戦えるのだろうか……。

痛快、そしてアブラギッシュ。これに尽きる。

最初は温厚そうな所長が段々と冷酷な本性を現す。エディ・アルバートというと他のアルドリッチ作品では「攻撃」の悪役も印象的で、本作も同じくらいかなりや~な奴を演じている。

囚人たちも濃い面々ばかり、何しろメンバーの一人がリチャード・キールだからね。鼻の骨が折れて泣いちゃうシーンが可愛いけど(笑)

アメフトのルールが全くわからない自分でも後半40分の試合シーンは最後まで展開にハラハラした。

試合の模様を3分割の画面にしたり、円陣を組むシーンを下から映したりと、スポーツが詳しくないものでも馴染めるように、演出が工夫されているように感じた。

■映画 DATA==========================
監督:ロバート・アルドリッチ
脚本:トレイシー・キーナン・ウィン
製作:アルバート・S・ラディ
音楽:フランク・デ・ヴォル
撮影:ジョセフ・F・バイロック
公開:1974年8月21日(米)/1975年5月17日(日)
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