西村大樹

三池監獄 兇悪犯の西村大樹のレビュー・感想・評価

三池監獄 兇悪犯(1973年製作の映画)
4.0
ここ最近、忙しくて新作映画を観に行く時間すら無かった。だけでなく、旧作を再度観る余裕すらなかった。久しぶりに東映成分を体に注入しようと観たら……やられた。
三池監獄の受刑囚達が、お国のためと実質強制労働させられ、それに抵抗していくというこれだけ聴くと労働運動を描いた映画のようである。
確かに、そういう側面はある。労使交渉も(かなり現実とは違うが[笑])描かれてはいる。が、軸はそこに集まった東映イズム丸出しのくせ者の受刑者達であり、かつこれまた東映イズム丸出しの看守達である。
とにかく男臭い。中ダレするかと思いきや、全くすることなく(上映時間が90分無いということも影響しているか)一気にラストまで東映イズムを見せつけてくれる。
そしてラストの素晴らしさ!この無常観!笠原和夫脚本には度々あるこの感覚が、これほど見事に演出されている作品は珍しい。
東映イズム満載の労働運動映画。是非!
西村大樹

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