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惑星ソラリスのryodanのレビュー・感想・評価

惑星ソラリス(1972年製作の映画)
5.0
2017-01-03

A・タルコフスキー監督作品。
念願かなってタルコフスキー作品。いや難解ですね。SF作品の王道、技術と観念の話。見ていると、ここが現代SF映画の出発点のような気がします。どうしても視覚効果に目を奪われがちですが、そっちより言いたいことは、やはり観念ですから。カメラワークが思わせぶりで、最初は、これ撮りたいだけ撮って、後は編集でと思っていたんですが、途中から気づきました、確信犯的にやってましたね。見る側の想像力を掻き立てる内容。こうだと思っても、次の瞬間、それを疑わなければならない設定。場面場面で使い分けられた色は、特に印象的でした。第二部の後半は劇的でした。主人公の記憶。多分、隠喩的に使われた雨と庭の源泉と家。冷たい質感の映像で、ずっと哀しみや喪失感が溢れていました。「2001年宇宙の旅」では、予感を滲ませてていたのとは対極にありますね。この二作品は、個人的にも両巨頭です。素晴らしい作品でした。
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