にっきー

ゴールデン・エイティーズのにっきーのレビュー・感想・評価

ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)
3.5
自分からするとですね、初めて観たアケルマン監督作品が「ジャンヌ・ディエルマン コメルス河畔通り〜〜」だったので、「あのジャンヌが唄ってるー(低くて存在感ある声音でー)」と、びっくりしちゃったわけですが(ミュージカル作品だと分かってても、アケルマン監督作品の中では異質な作品だと知ってても)、ミュージカル映画としてしっかり成立している、させているところに、アケルマン監督の力量を感じます。こんなのも撮れるのよ、芸術作品ばかりで映画の魅力は測れないのよ、という監督の実験性を感じます。その中で共通して品の良さを感じるのは監督の癖かなとも思いますが、こうして別の捉え方から映画作品を作っていく中で結局何が自分の映画なのか、アケルマン監督は掴んでいたのでしょうか? 沼ってしまったりしなかっただろうか? などと感じてしまった、映画見終わってからの帰路でした。

ただ、キャスト達がアケルマン監督の下、団結して楽しい作品を作ろうとしていた雰囲気を感じ、現場はさぞ楽しかっただろうなと想像します。それは例えばロバート・アルトマン監督に似ているようにも思い、ごちゃごちゃしている中でも一貫性(「何だかんだと俺は映画作りが好きなんだよッ悪いか!」)を感じたことを思い起こしながら、ではアケルマン監督の一貫性ってなんだろう、いえ別に一貫性がなきゃならないわけではないんですけど。。。なんてことも同時に感じた映画からの帰路でした。
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