にっきー

沈黙の艦隊のにっきーのネタバレレビュー・内容・結末

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、海江田が聴いている「レクイエム」は、今まさに沈めようとしている潜水艦「やまなみ」への鎮魂歌かと思っていたが、この映画鑑賞後数日経って、あぁ、あれは海江田艦長自らにも向けたものだったのでは? と思ったりもします。海江田艦長はのちに、「たつなみ」艦長・深町に「艦を沈めるような奴、絶対認めない!」と糾弾されるのだけれど。
海江田の途方もない計画のそのプロローグ。私は原作漫画をまだ読んでませんが、昔知人づてにその結末は知っているけれども、本映画作品は非常に見応えがありました。加えて言うと、近年、『空母いぶき』や、はたまた『シン・ゴジラ』といった、国防についての再認識を問いかける、かといってシツコい感じなく嫌味の無い、映画として見応えのある作品が増えている感がします。18年前になりますが『亡国のイージス』も入るかな。一つ、疑問に思ったのは、シーバットに乗り込むアメリカ海軍側がたった一人というのはちょっとどうなんだろうと。また、海の中を自由自在に駆け回る「我々の攻撃」にモーツァルト交響曲41番「ジュピター」をのせるのは、まるでシーバットマンとでも言えるようでもありながら、悪ふざけにも捉えられかねません。ところで、なんで「ジュピター」なんでしょう。最高神と、考えられ得る最上の〝(海江田なりの答えであり海図のような着地点〟をかけているんでしょうか? 私的には導入部のモツレク(版までは分かりませんが)の扱いの秀逸さが引き金となって、途中も特にダルさも感じず一気に見終えられた作品でありました。
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