にっきー

ラストエンペラーのにっきーのレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
4.8
昔々この映画を初めて見た時は、この映画に奥深さを感じなかったのですが、これまで何度か見る中で、いえ見る度に段々とこの映画に魅力を感じるのですから不思議です。
特にラスト。溥儀が自ら入館料(?)を払って、あんなに出たがった紫禁城に1人入っていく場面。玉座の前、子供の紅衛兵とのやり取り。コウロギ。そしてあの曲が。まさにラストエンペラーのテーマであって、オーケストラに飲み込まれそうな二胡の音色、それでもまるで「ここにいるぞ」と、バイオリンじゃないぞとばかりに聞こえる二胡の音こそが溥儀自身であると。でもラスト約10分だけを見ても絶対この映画の醍醐味は分かりません。

映画は総合芸術だと言いますが、物語(脚本)+史実性という深み+カメラワーク+キャスト+ロケーションに音楽が総じて魅力有り、それらが相まって作品力となっている、それはやはり監督の底力と言えると思います。
にっきー

にっきー