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或る夜の出来事の10000lyfhのレビュー・感想・評価

或る夜の出来事(1934年製作の映画)
3.0
父に逆らい逃亡中の富豪令嬢と、同じ夜行バスに乗り合わせ彼女をネタにスクープ記事を狙う新聞記者との珍道中ロムコム。現代目線ではキャラもストーリーも出来事もありがちだが、当時基準では、父(=家父長制度)に抗う「自由な女性」像、プロフェッショナリズムに徹し記事対象の女性に距離を置き、金で動くことのない誇り高い男性像が、時代のニーズに合っていたのだろう。脚のチラ見せでドライヴァの気を引く女性のヒッチハイク手法など、後に定番化するネタの始祖作品でもある。スクリューボールコメディの嚆矢とされるが、「ハワードホークスが完成させた、奇妙な会話や言動の連鎖で想定外に展開するロムコム」のイメージを強く持っている私には、ジャンルの原型を準備したが、まだ濃度の薄い普通のロムコムという印象を受けた。とは言え、それほど古さも感じさせず、普通に楽しめる映画。余談だが、1930年代までの映画全般に、同一アングルでの不要なカット割り(意図しない下手なジャンプカットみたいな笑)が目立つ
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