ゆいこ

遠い雲のゆいこのレビュー・感想・評価

遠い雲(1955年製作の映画)
3.8
佐田啓二が素敵すぎる故に終始贔屓目で観てしまったせいか、揺れに揺れる冬子にハラハラし通しだった。
登場シーン自体は思った以上に少ないんだけれど、忘れられない存在感があって、華があるってこういう事なんだろうな。
高峰秀子演じるのは、美しい未亡人。
伏し目がちな彼女は特に美しいことに最近気がついたけれど、まさにその表情が役にぴったり。
物憂げに微笑む様子に和服の出で立ちがとにかく美しかった。
早口でまくし立てるみたいに喋るせいか無感情に思える田村高廣も、独り善がりな坊ちゃんという役どころにはかなり合っていた気がする。
話自体は分かりやすいメロドラマだけれど、キャスティングの妙なのか、感情移入しやすく面白かった。
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