このレビューはネタバレを含みます
クーリンチェの結末を乗り越えるような、ラストのキスシーンが痺れる。
映画内で青年になった彼らの中で、キスは不吉なもの。
面倒くさい関係性を抱えることに対する嫌悪感なのか。
うまくいかない家族の関係。
どうしようもなく、吐き出し口のない思い。
そしてあのキスシーン。
孤独を前提としたうえで全ての孤独な人や思いに対して、もう少しだけ生きてみようかと思わせる力があったように思う。
劇中では、おそらく敢えてなのだと思うが、綺麗な明るい部屋でしっかり顔のみえる場面も多い。
その分エドワードヤンっぽい暗闇で顔が影としてしかみえない映像が引き立っておりグッと心を掴むような力があった。
特にルンルンが部屋に連れてきたマルトに食事を持って来た後、電気を消した部屋での数秒のシーンはグッときた。