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火天の城のrpmu90377のレビュー・感想・評価

火天の城(2009年製作の映画)
3.0
観ている間ずっと「この映画なぜこんなに面白くないんだろう?」という疑問が頭の中で渦巻いていた。巨大建築・安土城を作る過程を描くというテーマは面白いし、西田敏行や大竹しのぶといった演技派をそろえたキャスティングにも心惹かれる(一部大根役者が混じっているが)。しかし、実際観てみると映画の世界に入り込めない。どれだけ史実に基づいているのか知らないが、そんな馬鹿なと思うシーンが何か所かある。それが原因か?
指図争い(設計図によるコンペ)で、主人公の大工が自ら作った城の模型だけでなく他の出品者の模型にまで勝手に火をつけて、自作品の優位性を主張するくだり、今なら間違いなく犯罪だ。木曽の木こりが主の命令に背いて命を懸けてまでヒノキを主人公に譲るくだり、昨日今日出会った人間のためにそこまでする理由がよくわからない。信長を襲う集団が突然現れて大立ち回りを見せたあげくに大根役者二人が刺されて手に手を取って悲恋をアピールするくだり、同情するどころか目障りなだけ。
面白く感じたのは、ラスト20分間、親柱の裾を切断するシーンのみ。当時の高い建築技術を詳細に紹介するシーンを入れたほうがもっと興味深い映画になっただろう。
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