まりぃくりすてぃ

遥かなる山の呼び声のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

遥かなる山の呼び声(1980年製作の映画)
5.0
この映画は、日本の国宝。

数年前、レンタルDVDでこれを初鑑賞した時は、ハナさんが五階級特進ぐらいに男を上げまくる列車内のラストシーンに、大泣きさせられ、返却までの数日間のあいだに、そのラスト五分ばっかりを連日連夜再生しては泣いてた。返却後も、そのシーンを思い返してはよく泣いた。泣き率は今でも「95%」以上。うん、95よ。
さて、今回、大スクリーンの劇場で鑑賞! するとやっぱり健さんが、千恵子さんが、姿も心も見えて見えすぎて解(わか)って、ラストシーンに行き着く前にもう前半からずーっとずーーーっと泣きっぱなし(ほぼ嗚咽)の私は、終了直後は短距離走後みたいに息苦しく脈が速いのが自分でわかった。

「幸福の黄色いハンカチ」よりもこっちの方がはるかに上出来。音楽のこういう使い方も、私嫌いじゃない。
くだんのラストシーンは、ハナさん・健さん・千恵さんの魂が三連発ダイナマイトみたく炸裂してるわけなんですけど、ここでけっこう重要な露払いになってる刑事さん二人にも注目だね。お弁当の食べ方に、ほんと惚れ惚れします。おかずよりもまずシャリ! 美味そうにね! 男らしい!!


一つだけ問題点があるとしたら、酪農にかんすること。私、知り合いに何人もそれやってる人いて、私自身もバイトしたことあるからよく知ってるんだけど、女性一人できちんと飼える乳牛は、五、六頭が限度ですよ。屈強な男性でも、一人きりで面倒みるんだったら二十頭ぐらいがせいぜいです。農業の中では酪農が一番過酷かも。力作業ばかりな上に、まったく一日も休めないしね。その意味では遠洋漁業よりもきつそう。(農協からのヘルパーが時々来てくれるとしても)寡婦一人でやれるか・やりますとかの次元じゃないよ。ムリめの設定っていうのでなく、完全にムリな設定です。・・・ま、いっか。