ひでやん

髪結いの亭主のひでやんのレビュー・感想・評価

髪結いの亭主(1990年製作の映画)
3.8
久しぶりに再鑑賞。

アントワーヌの思い出、
12歳の夏、心を奪われた床屋のシェーファー夫人と、大人になり出会ったマチルドとの日々をパステルの映像美で描く。

シェーファー夫人は、太っちょのオバサンて感じなんだけど、12歳の少年にとっては豊満な色気のある女性。体型と体臭に酔いしれ、興奮する。

マチルドは、足を組んで座っているだけで絵になる美人。

シェーファー夫人に会いたくて何度も床屋に行った少年時代。
マチルドに会いたくて、前回の散髪から三週間しか経っていないのに床屋に行ったアントワーヌ。

ただ床屋で髪を切っているだけのシーンを官能的に描写している。
髪を切る腕からチラリと見える脇、
前屈みの時にチラリと見える胸元、
肌に擦れるシャツ、ほのかな香り、
優しく愛撫されるように肌や髪に触れる指先とハサミ。ドキドキする場面だった。

自分の昔を思い出すと、小学生の時に通っていた床屋はオッチャンだったから平和な散髪だった。

中学生の時に通っていた床屋は、可愛いおばちゃんで、変に緊張したことを覚えている。
こんな感じにして下さいと言ったあとはお任せで、されるがままの無防備状態で、至近距離に見える体の部位や触れる指先にドキドキした。
鏡越しに目が合うと情けないくらいに照れて平常心を保つことに集中した。

髪結いの亭主になることを夢見ていたアントワーヌはマチルドが妻になり幸せな日々が続くと思っていたのに…
雨の日の突然の行動に首を傾げた。
んー女心は…よう分からん。
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