ひでやん

キング・オブ・コメディのひでやんのレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
3.7
ネタをテープに録音したが、本人に聞いてもらえず部下が聞く。あるいは、部下も聞かずに捨てられる。そんな話は実際にコメディアンでもミュージシャンでもいっぱいあるだろう。陽の目を見ない夢追い人はごまんといる。才能はそこそこだが運がめちゃ強い人、才能はめちゃあるのに運がまったくない人。夢を掴んで華やかなステージに立てるのはほんの一握り。

パプキンは、どん底で終わるより一夜の王でありたい、と願いテレビ出演した。自虐的なネタを披露して笑いをとるそのシーンは良かった。良かったんだが、映画に対して、もしもこうならば…て話をするのは無粋かもしれないが、もしも、まったくうけずにスベッたら、ただのクレイジーな犯罪者なんだよね。パプキンに拍手を送ると、その手段として犯した罪を肯定するみたいで、なんか複雑。

ランチして番組出演を頼まれたり、別荘に招待されたり、パプキンは妄想するが、獄中で書いた自伝がヒットしたのも、ラストシーンのステージも妄想かもしれない。現実か妄想かどちらか分からないが、誘拐、脅迫、監禁さえも全て妄想なら、そんなパプキンに拍手を送りたい。
デニーロの怪演はやっぱり凄い。イカれた犯罪者の役はデニーロとケビン・スペイシーがはまり役。
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