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キング・オブ・コメディのroofbalconyのレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
3.8
この主人公に似た男を知っている。彼はどうしているだろうか。この映画を観たと思うが、彼なら「己を信じて突き進めばいつか夢は叶う!」と元気をもらっていたかもしれない。それもいいがしかし。
もっとドタバタコメディにも出来たはずだが、そこはスコセッシ。デ・ニーロの怪演も相俟ってのモノホン狂気感。ともすると歪んだ情熱に従うストーカーが勝利する映画ともとれるし、それがあながち不可能でもなさそうなショービズ界への風刺なども。
「タクシードライバー」のラストを妄想と解釈するにはやや抵抗があるが、こっちのラストはそれほど無理がない。別荘に押しかける件は暫く妄想パートだと思って観ていたし。
現実だとしてもラストカットの自信なさ気な表情と振る舞いから、所詮一発屋で後が続かないというシニカルエンドとも取れる。
女ストーカーの方はどうなったのか?

舞台:NY
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