ブタ野郎

12人の怒れる男のブタ野郎のレビュー・感想・評価

12人の怒れる男(2007年製作の映画)
3.3
長い…
延々と喋り調子なのでもう少し短くすぱっと終わる方が好みだった。元々の映画の方が好きかも。

ただ見やすさとかは大分こっちの方が良かった気がする。少年側の過去など、陪審員達の自分語りもそこそこ楽しめた。それを踏まえてのテーマがズシンと来た。

最初に無罪を主張した、物語を牽引していく人物が割と序盤の方から地味になったと感じた。それによってそれぞれの話に耳を傾けやすくなったのかな?とも思った。一人が周りを説得する訳ではなく、それぞれの経験ベースを話し感化されあう。この構成が最初の方からしっかりとあったから個人的にはそこまで違和感なく映画に入り込めた。

ただシリアス局面が結構多くて、こういうのはもう少し笑いながら見ていたいなと個人的には思う。だからこそ少し入ってくるコメディ要素が結構面白かったりした。

演劇的な演出だったり、室内以外が頻繁に登場するのはやや疲れる。元々の映画を見ていた事もあってだと思うけど、やっぱりあの狭い室内で12人の巡る討論を期待して見ていた分、一人一人の尺が長かったり割とカットが単調だったりして退屈を感じてしまう…
テンポが遅いと思ってしまった。

体育館での討論というのも最初はおもしろいと感じていたが、あそこまで歩き回れると画面の引きが少しスカスカしてみえて好みじゃなかった。もっとギュッとしていた方が良かった。

ただロシアの事を、まぁまだ表面上だけだとは思うけど、知って調べてみようかと思った。興味をもつキッカケになった。大変満足。

ラストに鳥が飛び立つシーンもありきたりではあるけど上手くマッチしていてかっこいい。
様々な事情が働いてまた多様な意見があって決心する登場人物は熱い。熱い映画。
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