コーカサス

イヤー・オブ・ザ・ドラゴンのコーカサスのレビュー・感想・評価

4.7
『ディア・ハンター』で“天国”を知るも『天国の門』で“地獄”を見たマイケル・チミノ監督の見事な復帰作。

ニューヨーク・チャイナタウンに根を張るチャイニーズマフィアの若きリーダー ・タイ(ローン) と、 ベトナム戦争後遺症で黄色人種嫌いの刑事スタンリー (ローク) との火花散る対決、マフィア同士の抗争を生々しく赤裸々に描いた傑作だ。

組織の近代化を阻む長老たちを次々に排除していく冷酷なタイを演じたジョン・ローンの美男子ぶりも素敵だが、彼を執拗に追い詰めるミッキー・ロークが兎に角カッコいい。
白髪にソフト帽と、あの囁く声さえあれば、アリアーヌの前で披露したパンツ一丁姿も可愛く見えてしまう。

80年代半ば、ふたりの人気はまさに絶頂で、ミッキーはリザーブ、 ジョンはクラブハウスといったサントリーウイスキーのイメージキャラクターとして、テレビCMでも“対決”を繰り広げていた。
そんな時代も今は懐かしい。

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