ぬーたん

マンハッタン物語のぬーたんのレビュー・感想・評価

マンハッタン物語(1963年製作の映画)
3.5
1930年生まれのマックイーン、今年が生誕90年ということで特集が組まれてるので、DVD化されていない未見の今作を。これは実に珍しいマックイーンが観れる。男っぽい乱暴でがさつな役とは180度違う、女性に振り回されてオロオロする、ラブコメなのだから!
1963年のこの作品当時、スティーブ・マックイーンは33歳。同じ年にあの『大脱走』シビレタよね♡33歳とは思えぬ渋さ、スタントなしでバイクを乗り回すシーンもカッコ良かった。後の『ゲッタウェイ』『パピヨン』『タワーリング・インフェルノ』と子供の頃から、男の中の男、というイメージが定着していた。
そのスティマが(勝手に略)オロオロさせられる相手はナタリー・ウッド。当時25歳。モノクロだけど、その美しさは分かる。透明感溢れた綺麗な肌に大きな目、高い鼻、パーツが綺麗に並んでいる小顔。152㎝と小柄なのに、均整が取れたスタイルでスラリと長い脚に、キュッとくびれたウエスト、形の良さそうなバスト(谷間のみ。見えないけど)にうっとりする(オッサンか)『ウエストサイド物語』は好きでリバイバルで映画館で数回観ている。初見は子供の頃、リチャード・ベイマーとの悲恋、『マリア』の歌は心に響いた。
さて、物語は面白い出だし。妊娠したの、と突然言って来た彼女と、言われてキョトンとするスティマ。ん?どっちかがおかしいのか?と良く分からんまま観るが、途中で、一夜限りの関係を結びたまたま妊娠してしまった、とう事実が分かる。
結局、中絶をしようという事で闇医者を探すのだが、そこからは色々と難題が。お互いの家族や宗教の問題、2人のギクシャクした会話。ちょっとイライラさせられるし、本心が分からず感情移入しにくい。
ナタリーの強さが先に立ち、スティマ演じるキャラはおとなしめで、影に隠れてしまった感じが、残念かな。彼本来の魅力がもったいない。
大きな入れ物からワインを注ぐ、彼の注ぎ方が、粋だ。
思い余って駆け込む感情のあふれるシーン、ラストシーンは、スティマの魅力が出ていて、胸キュンだ。やっぱいい男だね~。
まだこれからの50歳で亡くなった。もっと名作に出れただろうに、作品のチョイスはあまり上手くなかったようだ。
一方のナタリーは映画撮影中の43歳に亡くなった。事件性を囁かれ、殺人事件として再調査されているが、重要参考人で関与を疑われている夫、ロバート・ワグナーは事情聴取を拒否。もっとも、御年90歳。スティマと同い年だからね、もう記憶も薄れているだろうし、今更告白もなかろうなあ。
マックイーンはやっぱり、恋愛映画は似合わないね。
次は男っぽい作品観てみようかな。
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