けんたろう

女は二度生まれるのけんたろうのレビュー・感想・評価

女は二度生まれる(1961年製作の映画)
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二度目がさっぱり分からないおはなし。


主人公・小えん(若尾文子)はその場その場で出会った人や物事に、その場その場の勢いでついて行く。
そのため、同じ川島雄三×若尾文子の『しとやかな獣』とは異なり、こちらは場所(場面)がトントンと変わる。もちろん話の進むテンポは良く、観ていて心地が良い。
(こうしてみると、場所が一切変わらないのに、これまたテンポ良く話が進む『しとやかな獣』がいっそう凄く感じる。)

しかし、だからなのか、「二度生まれる」と言えるほどの大きな変化を感じることはできない。
確かに、簡単にソレを許さなくなったのは、現実的に言えば大きな変化に違いない。だが、彼女の軽妙な足取りは一向に変わらず、劇も相変わらず淡々と進んでいくため、それを大きな変化とは捉えられないのだ。

とはいえ、観ていて楽しいものではある。
そのうえ、歳上の男にはキュートな部分を見せて慕い、歳下の男にはお姉さんな部分を見せて可愛いがる、やはり魅力たっぷりの若尾文子を見られたので、実際のところ僕は大いに満足だ。

これで僕が観た若尾文子出演作品は6本。ますます彼女に惹かれていく…