けんたろう

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版のけんたろうのレビュー・感想・評価

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グチャグチャなる世に、真っ直ぐなる其々の芯が立ち並んだおはなし。


犬どもが連れ立って歩くオープニングのシーン。然うして、男たちの義と情けとが烈しくぶつかり合うた果ての素晴らしきラスト。嗚呼、堪らない。ビジュアルも然ることながら、其々の関係性が四つ巴へと収束し、遣りどころなき口惜しさの発露にて終幕する其のケヂメの物語りよ! もうはや最高である。

タランティーノの作品に於いて、ダラダラとした無駄なる会話が良いだの何んだのとよく云はれるが、特段私しは好きではない。其れを聴いても別に昂奮はせないし、感動もせない。要するに、最高の表現たらない。
だが、本作で描かれた “筋” は、蓋し最高の表現である。
此れが監督デビュー作だったのか、タランティーノ。其れあ人気に成るぜ。