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椿三十郎のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

椿三十郎(1962年製作の映画)
3.6
朝ドラでヒロインがデートで観た映画が『椿三十郎』だったので、観てみました。

怪しい風体で口のわるい浪人の三船敏郎は剣の腕も立つし、合理的な策士でありオールマイティー、他の9人の侍は腰抜けで、しょっちゅう椿三十郎に怒られている。

コメディ要素があちこちに入り、助け出した奥方入江たか子とお嬢様のおっとりテンポや人質の小林桂樹のとぼけ方が面白い。登場人物それぞれの個性が際立ち、脇役が三船敏郎の粗っぽさを引き立てていた。

敵の仲代達矢との一騎討ちは、それまでのおとぼけお笑いが吹っ飛ぶ演出で息を飲み、短い90分の間に緩急作って見せ場があり、さすが黒澤明監督、見事でした。

「鞘に納まっている刀」と「鞘のない剥き出しの刀」奥方による人物描写も見事です。

椿三十郎は何かシリーズものだと勘違いしていました💦→ご指摘いただき、『用心棒』の続編がこの『椿三十郎』でした。
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