タカシサトウ

トラフィックのタカシサトウのレビュー・感想・評価

トラフィック(2000年製作の映画)
3.9
 [3つのパートの同時進行]

 なかなか面白かった。

 麻薬撲滅に奔走する判事ロバート(マイケル・ダグラス)と麻薬に溺れる娘キャロラインのパート。次に、麻薬密輸で逮捕された夫を救おうとする妻のヘレーナ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)とそれを阻止しようとする麻薬取締官のモンテル(ドン・チードル)とレイ(ルイス・ガスマン)のパート。そして、アメリカに麻薬を供給するメキシコ組織を追い詰めようとするメキシコの麻薬捜査官のハビエル(ベニチオ・デルトロ)とマノーロのパート。

 この3つのパートがごちゃ混ぜに進行するが、パート毎に画質が違うこともあるし、スティーブン・ソダーバーグの手際のよい演出で、前に観てはいたのだけれど、こちらはほとんど混乱せずに観れた。

 麻薬戦争に勝つと意気揚々のロバートが、娘が麻薬に溺れる方に奔走するのが、痛々しくも、まあ、それなりに分かる気もする。マイケル・ダグラスは、居るだけで貫録がある。 

 捜査官のモンテルとレイのコンビの顛末はなかなか見せるし、ヘレーナはそのキャラクターよりも、キャサリン・ゼタ=ジョーンズの一つ一つの動作が本当に美しかった。

 メキシコの捜査官のハビエルのパートは、一番緊迫する展開で、どうなるか分からない位ハラハラする。ベニチオ・デル・トロはさすがに上手い。

「ボーダーライン」のような映画もあるし、メキシコからアメリカへの麻薬密輸が横行しているという現実が根底にあるのだろう(2022.8.19)。