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鴨川ホルモーのakrutmのレビュー・感想・評価

鴨川ホルモー(2009年製作の映画)
4.3
万城目学のデビュー小説を映像化した、京都を舞台にした京大生の青春ファンタジー映画。この小説が発表された当時は、京都や京大を舞台にした青春小説の書き手として森見登美彦が地位を確立していたこともあって、二番煎じとの評価を受けていたが、現在までに万城目学のほうが多くの作品が映画化されている。

万城目学作品の最初の映画化である本作品では、京大の吉田キャンパスや吉田寮がロケに使用されていて、京大出身者にとっては懐かしい映画かもしれない。(立命館大学などもロケ地に使われている。)ホルモーと呼ばれるオニを使った架空の競技が話の中心に置かれているため、映画だけを見ると少しちゃちな印象を受けるかもしれないが、小説を読んだあとに映画を見ると、頭の中に世界観が出来上がっているので、そのような印象は(少なくても私は)受けなかった。それ以上に、山田孝之、濱田岳、栗山千明の演技が小説の世界にとても馴染んでいて、個人的にはかなり評価の高い作品である。山田孝之の演技はいかにもいそうな学生の感じを醸し出していてなかなか良いし、パッとしないリケジョを演じた栗山千明も印象に残る。栗山千明はこのような三枚目の役のほうが、個人的には合っている気がする。なお、本作の舞台版では、映画版でキザな学生の芦屋を演じた石田卓也が主役の安倍役を演じている。
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