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犯人は21番に住むのエディのレビュー・感想・評価

犯人は21番に住む(1943年製作の映画)
3.6
サスペンスの巨匠クルーゾーの初期の作品なので、緊張感があまりなくツメの甘さを感じるけど、それなりに満足する。
藻奇怪な殺人事件が頻発したので、腕利きの刑事である本庁のウエンスが請われることになる。聞き込みを続けたウエンスは、犯人はモンマルトルの21番のアパートの住民の誰かということがわかったので、神父の格好をして住み込みを始める。そんな彼には女優志望の愛人ミラがいるが、彼女は自分の名前を売り出すには事件を解決して新聞に出るのが一番と考え、ウエンスの後をつけて、勝手に探偵助手を始めてしまう。。。
アパート住民がみな怪しい人物なのだが、事件が起きるときに怪しい行動をしていたため捕まえると、拘留中に別の事件が起きるので、真犯人が一向に捕まらない。
そうこうしているうちにアパート住民も殺されていくのだが、住民はみなアリバイがあるので、サスペンスとしてはそこそこだと思う。しかし、犯行後の姿しか出てこないので犯人が迫ってくるという恐怖はほとんどなく、映画は全体を通してミラのコメディ的な探偵助手のほんわかした雰囲気が漂っている。
このミラは良い味を出しているのだが、あまりにも捜査に入り込んでいるのでちょっとサスペンスの雰囲気を壊してしまっていると思う。そんなミラなくしては事件が解決しないので、この女優を売り出したいために、オリジナルのストーリーを脚色したような不自然さを感じてしまった。
ただ、オチはしっかりしているし、ほのぼのとした独特の雰囲気があるサスペンスなのでそれなりに楽しめた。
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