クリスマスイブのLAをベガスを舞台に、麻薬取引に絡む事件に巻き込まれた3人を3つの視点で描いたオムニバス映画。タランティーノのパルプフィクションから暴力性を排除し、時系列を多少整理してスピード感をなくしもっさりとした感じに仕上げた映画といったらまるで魅力がないみたいだが、そんなに悪くは無かった。
スーパーのレジ係のロナはイブに彼氏であるサイモンの代わりに麻薬エクスタシーの入手を頼まれた。金が無く住んでいる場所を追い出されそうだったロナは、エクスタシー販売で家賃をひねり出そうとして、麻薬密売人に自らで向き交渉をするが。。。
一方、冴えない俳優のアダムとザックは警察から囮捜査を要求され、エクスタシー売買をしているサイモンを検挙しようとするが、サイモンがいなかったので、その彼女ロナにエクスタシー売買を持ちかけて現場を押さえようとする。。。
そして、サイモンはベガスに行く相談をしていたが。。。
エクスタシーを軸に、販売人、その彼女で代わりに販売しようとしていた少女、それを捕まえる連中というそれぞれの立場のそれなりの悲劇を描いている。しかし、重くはなく、みな不幸なのにどことなくコミカルに感じるのは、みなドン臭いからだ。
イブに似つかない悲劇だけど最悪の事態にならないで、適度な落しどころが用意されている。
3つのオムニバスのラストを見た上で、こいつらのその後の顛末がめちゃくちゃ興味を惹かれる、そんな余韻がある映画だ。
もう少しスピーディーでテンポがある方がこの映画のストーリーに合う気がするけど、これはこれで楽しめた。