エディ

地球にやさしい生活のエディのレビュー・感想・評価

地球にやさしい生活(2009年製作の映画)
2.0
自称ジャーナリストが、NYマンハッタンに住みながら電気を使わずゴミを出さないなど地球環境に優しい生活を1年追ったドキュメンタリー映画。

この人のやっていることは、自己満足に過ぎないので、一言で言うと「カチンと来るエコ」だと感じた。

主人公コリンがNY全体でおむつがどのくらい廃棄されているとか、紙を節約するとどのくらいになるとか、プラスチックを使うとどうなるとかいろいろと薀蓄を並べていく。そのどれも事実だと思う。

しかし、やっていることが全く共感できないのだ。

その一番の理由は、地球に優しい生活と言いながら、仕事も環境も犠牲にせずにインフラが整ったNYのど真ん中でぬくぬくと実験をする姿勢だと思う。実験に当たり、彼は高級アパートに住みながら同じ仕事を続け、妻は家では地球委優しい生活を実戦しているが、一歩外に出ると高級店でパーマをかけ、エアコンがガンガンに効いた部屋でアイス入りのコーヒーを飲んでいるのだ。

他にも、ソーラーパネルを作るために地球をどれだけ汚染したのか?料理はオーブンで作っているが、オーブンのエネルギーはどうしてる?など数多あり、「何こいつら?突っ込みどころ満載ジャン!」と思ってしまった。

世間では中途半端な偽善者が一杯いる。原発反対、電気料金引き下げと叫びながら、電車で家に帰り家には有り余るほどの電化製品に囲まれている生活をする奴。肉食なのに、屠殺される家畜を可愛そうとのたまう奴。。。

そんな「自分を棚に上げてキレイごとを言う連中の真似することで、そういった偽善者を批判する映画」かと思ってしまったくらいだ。

当然、映画でもこの主人公たちを批判する人が多いことを取り上げている。自己PR臭が鼻に付くとか、キレイごととか。

それに対し、彼らは世間は何もわかってくれないとか言っているが、1年の実験のあと、彼らは元の「世界で最もエネルギー消費が多いNYでの贅沢三昧生活」に戻ってしまうのだ。

この映画を途上国の人たちが観たら怒るとおもう。

この映画を観て何かを変えたいとは思わなかった。なにしろ、自分の妻でさえ「地球に優しい生活」にすることができなかったのだから。

突拍子もない目立つことをするより、身近な一つ一つを少しずつ変えることで、長い時間エコに取り組む人たちのほうが自分ははるかに心打たれる。

そして、そういう「勿体無い精神」はこの連中より普通の日本人のほうが優れているので、この映画にはシーシェパードのような正義の押し付けがましさを感じ腹が立ってしまった。
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