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三十六人の乗客のmingoのレビュー・感想・評価

三十六人の乗客(1957年製作の映画)
3.9
おもろい。撮影が岡崎宏三なので雪山や夜行バスが駆け抜けてくショットがいちいち決まってる、ヒッチコックからの影響なのかなんとも言えないタイトル(原作あり)と冒頭の気怠い状況説明から一転、スキーバスに小泉博が乗り込んで終着駅草津へと向かう中で、山に入り込んでから深まる夜に紛れた乗客たちが全員怪しくみえてきて傑作サスペンスの香りが漂ってくる。
犯人が分かる瞬間の千秋実、橋ギリギリを運転し崖崩れスレスレまで進むバスの緊張感、男性の乗客全員が犯人を追って雪山を走り転げるシーンなど唯一無二感も良い。そして何よりバスガイド役の扇千景がべらぼうにかわいいので感無量だし、50年代後半なので舗装されていない中山道をバスが走るカットだけでロケオタクとしては涎モノ。
2006年新文芸坐での『和田誠が「もう一度観たいのになかなかチャンスがない」と言っている日本映画』特集にて「死の十字路」と本作の二本立て、もう一回かけて欲しい…
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