ノッチ

龍拳のノッチのレビュー・感想・評価

龍拳(1978年製作の映画)
3.0
武闘大会で師匠を殺され道場の看板まで叩き壊されたジャッキーが、師匠の奥さんと娘と共に仇討ちへ向かう。

だが、その相手は妻の自殺を契機に心を入れ換え、その証しとして自らの片足を切り落としていた。

怒りの矛先を失ったジャッキーだったが、そこへ彼を用心棒として雇いたいという男が現れる……。

ジャッキーの拳法が炸裂している仇討ち映画。

ブルース・リー亡きあと、ロー・ウェイがその跡継ぎにしようと思っていたころの1本です。

ブルース・リー映画のヒロイン役の定番だったノラ・ミャオも共演してるし。

内容は、道場の師匠を殺されたジャッキーが、奥さんと娘を引き連れて相手の道場に仇打ちに行くが、既にその仇は改心していたっていう話。

この時代のジャッキーのカンフー作品は、ジャッキーがダメダメで、更生するのに修行するパターンなのが定番です。

しかしこの作品は、最初から出来るジャッキーが師匠の仇を討つ為に仇元に行くって感じです。

途中、道場のいざこざに巻き込まれて話が複雑に。

道場の経営事情や事業内容フクザツっす。

でも最後の戦いのシーンはかなり好み。

戦いの舞台が草原じゃないのもいい。

さすが若き日のジャッキーだけあって格闘シーンがアツい。

成龍の拐(日本で言うトンファー)さばきがスゴい。

シリアスなストーリーでいつものジャッキー映画とは違いますが、哀愁や復讐などの感情が爆発して見ごたえあります。

ジャッキーは悪者に利用されて、その仇と戦う羽目になるんですが、ラスト、ジャッキーがキレるシーンがホント容赦なく、笑ってしまいました。

もう、これまでのストレスを発散するかのごとく凄まじいです。

キレるだけの理由はあるんですけどね。

珍しく殺気を持って戦ってます。

もしもだ!

このストーリーでブルース・リーの主演なら、とてつもないくらい大ヒットしていたのではないかな??

ジャッキー自身も、自伝で自らこう書いてました。

「ブルース・リーが主役を演じていたら、この作品は大ヒットしただろう。師の敵討ちをする青年を彼が演じることで、画面から青白い炎が上がっただろう」。

白いロングタイプのカンフースーツに身を固め、怒りをこらえにこらえて最後に爆発させるジャッキーもカッコいいけど、それをブルース・リーがやったらもっとハマリ役だったと思う。

因みに『龍拳』ってタイトルだけど、龍拳出てこないじゃん。
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