このレビューはネタバレを含みます
あのトランプゲームはなんだったのかしら、ポーカー、ブリッジ?
既成の下着の刺繍を次から次へと腐すおばあちゃん、同業者?とオシャレな店員に尋ねられて、いえ…とはにかむ、しかし、大先輩よ、と微笑む友人たちがいる、素敵ね…
パフェを食べるおばあちゃんたち、いいね
馬鹿な男たち…不倫、息子のプライド、夫のプライド、村を守るとうそぶいて女たちを腐す男たち、おろか…
ハムやソーセージで老人の機嫌をとる、政党幹部のおっさん、実際、若者よりも老人のほうが懐柔しやすいのだろうな…
ファッキンクソ田舎、ランジェリーを、いやらしい下着だと、ファッションも文化もない、きついね
いい歳して、と腐す女たち、保守的な土地柄
閉鎖的な田舎での老老介護、やんなっちゃう、施設に入れたがる息子の気持ちもわからんでもない、けど、終の住処をどこに定めるか、まあ、大事よな…
共同体の平穏な日常のために、利己的な人間は、夢を追うのをやめろ、帰る場所はいつでもあると語る、牧師の息子、きっついな。
ドキュメンタリー映画『YARN』も連想。
母の死。友人の死。つらすぎ。
手製のランジェリーを売るためにインターネットの講習会に。夫を施設に入れないため送迎できるように車の免許を。必要に駆られて技能を身につける、身につけられる、素晴らしさに涙が出そう。
だってねえ、こういう勉強を阻まれてる女がたくさんいる国に住んでるんだと、バレてしまったいまだから…遠い国の話、遠い時代の話じゃねえ、いまここで起きてるかもしれないことなんだよ…泣けるぜ…
新しいことに挑戦を、パソコン教室の男たちが刺繍を、先進的な人間もいる、良かったねえ。老女実業家の成功が新聞に、良かったねえ。
伝統の冒涜、明日の合唱祭の心配、村の恥さらし、愚かじゃなあ、そして他の男に言われたそのまま、母に文句を言う男、愚かじゃなあ…
ランジェリー姿でモデルウォークして抗議してみせる若い女たち、性の解放宣言という感じで良いな…しかしとってつけたようで納得いかず、あの場で賛同した男たちを信用しきれなかったからだと思うな…
原っぱで日向ぼっこしながらトランプするおばあちゃんたちの絵で終わる、良かったねえ…
しかし、いま見るテンションじゃなかった。『マルタのやさしい刺繍』って邦題もなんだかな、やさしい、って付けないと観てもらえない事情が悲しいよな…
もっとこう、身に付けることで気分が上がる下着、肌に身に付けるものだからこそ快適さを求める心、身だしなみを整える楽しさについて語られてほしかった気がするし、おばあちゃんたちに若い女たちが呼応する描写をもっともっともっと観たかったよ…世代を超えた連帯をもっともっともっと見たかったよ…
つらいつらい