ギズモX

ロッキー・ザ・ファイナルのギズモXのレビュー・感想・評価

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)
5.0
【ロッキー劇場へようこそ!】

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します!

今年一発目はこの作品を。
新年になるとロッキーを見るのが自分の中で恒例の行事になりつつあって、スタローンのがむしゃらな姿を見ると、新しい年に対する不安が消えて(今年もいいことあるかも!)と明るい気持ちにさせてくれるんですよね。
ポジティブシンキング、これ大事。

《ボクシングを引退し、エイドリアンに先立たれた元ヘビー級チャンピオンのロッキーは、地元フィアデルフィアでレストランを経営しながら、客に現役時代の昔話を語って聞かせる孤独の日々を送っていた。
しかし、ある時偶然TVでの若ロッキーVS現チャンプのシミュレーション試合が目に留まり、内に秘めし闘争心が再熱。
再びリングに上がり、現役世界王者とのエキシビジョンマッチに挑むこととなる!》

初代と並んで大好きな作品。
初代の良さが神話的なリアリズムなら、本作の良さは「マンネリ化した物語だとか、ポンコツな設定だとか、そんな前評判知ったことか!オラァ!食らえ!」と言わんばかりの馬力と勢い。
見る影もなしくた男が過去の栄光にへばりつきたいから戦うのではなく、己の全てを吐き出して、今を新しく生きるために王者に立ち向かっていくという、その無謀とすら思える真っ直ぐな闘志が、まるでゴジラでも呼び寄せたかのような強い衝撃を放っている。

肝心の試合も前五作と比べて現役のボクサーを起用したり、TV中継を意識したアングルで撮ったりとリアリティが大きく増加した。
少し荒削りではあるものの、この本当に本物の試合を見ているような演出は『クリード』で確立されることになる。

台詞もシリーズの中で一番好きだな。
息子へ放った演説
「世の中はいつもバラ色じゃない」
も素晴らしいけど、特に格別なのがコーチのこの台詞。
「重くて強烈で脳天にズシリと響くパンチ。
 墓の中の御先祖様も吹っ飛ばすパンチだ。
 そうだ、昔懐かしのメガトンパンチってやつよ!」
あらゆる邪念を吹っ飛ばすこのパワフルさが堪らない。

今作が起爆剤となり『クリード』『ランボー』『エクスペンダブルズ』など、スタローンが90年代に味わったキャリアの低迷が嘘のように思えてくるパワフルでエネルギッシュな傑作が数多く生み出されることになった。

いや本当、ガツンとくる大傑作だ。
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