モンスターを愛し、モンスターに愛された男、デルトロが初期に手掛けたアメコミ映画。
ナチスのオカルト実験によって現世に堕とされた悪魔の子ヘルボーイが、超常現象に対処するアメリカの秘密組織のエージェントとしてラスプーチン率いる悪魔とバトるストーリー。
ビジュアルならアメコミ映画の中でも一級品。
中でも人間社会に適応する半魚人、心に傷を負った女性とモンスターのラブストーリーなどなど、後のデルトロ作品を彷彿させる展開が多く、デルトロの独特の世界観がこの頃から既に形付けられている。
しかし、ナチスにラスプーチンそして悪魔の子と、序盤はオカルトの大盤振る舞いに対して、中盤以降はストーリーが平坦で盛り上がりに欠けるのが難点。
こういう系列の作品で敵モンスターが一種類しか登場しないというのは致命的だ。
着地点は悪くないと思うが。
デルトロ作品のプロトタイプな作品です。