ギズモX

マッド・ハイジのギズモXのレビュー・感想・評価

マッド・ハイジ(2022年製作の映画)
2.8
独裁国家と化したスイスを舞台に、ペーターを殺され囚人となったハイジがバイオレンスな復讐を繰り広げるスイス産B級映画。

パムグリア主演『エンジェルグラディエーター』などの70年代女囚もののオマージュが強く、予告編が公開された当時はかなり期待していた作品だったが、実際に鑑賞してみたらオリジナリティが乏しく非常に残念な出来栄えだった。

低予算で制作されるB級映画最大の良さは、大手の映画会社が作る大作では表現できない、型にはまらない斬新な作風、独自性溢れるぶっ飛び描写にこそある。
ところが、近年のサブカル系インディペンデント作品は昔の映画のオマージュに力を入れ過ぎていて、枠に縛られないというB級映画本来の持ち味を活かしきれていない。(これはタランティーノなどのジャンル映画にも同じことが言える)
70年代では自由を体現したスタイルも、今ではB級らしさを表現したいだけの装置でしかないのは皮肉である。

チーズフォンデュ以外にも『マッドハイジ』たらしめるオリジナル要素があったのならまた評価は違ったかもしれない。
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